カーボンフットプリントとは
カーボンフットプリントは、一人の人、一つの世帯、一つの製品やイベントといった対象が、直接または間接に出す温室効果ガスの量をすべて足した値です。足跡という名前のとおり、ある活動が通ったあとに残る跡の大きさを数字で示そうとする考え方です。名前に炭素とついていますが、二酸化炭素だけを数えるわけではなく、メタンや一酸化二窒素のように温暖化に影響する別の気体もあわせて数えます。この記事は考え方と読み方を扱うもので、特定の活動や製品の排出量の数字はあえて書いていません。そうした数字は計算の条件によって大きく変わるからです。
複数のガスを一つの数字にまとめる方法
温室効果ガスは種類ごとに、同じ量で大気中の熱をとらえる力と、とどまる期間が違います。そこで、それぞれの気体が同じ重さの二酸化炭素に比べて一定期間にどれだけ温暖化に寄与するかを係数として定め、その係数を掛けて二酸化炭素に換算してから足し合わせます。こうしてまとめた値を二酸化炭素換算量と呼びます。係数は新しい科学的評価が出るたびに見直され、何年を基準に見るかによっても値が変わります。同じ活動でも、どの係数を使ったかによって結果が少しずつ違うことがあるということです。
直接の排出と間接の排出
暮らしの中の排出は、大きく直接の排出と間接の排出に分けて考えられます。直接の排出は、車に入れたガソリンや給湯器のガスのように、自分が使う場所で燃料が燃えて出るものです。間接の排出は、ほかの場所で生じるものの自分の消費が原因で生じるもので、家で使う電気が代表的です。電気は使う瞬間には煙が出ませんが、その電気をつくる発電所で排出が生じます。自分が買う物や食べる物が作られて運ばれる過程の排出も、間接の排出に含まれます。広く見ると、個人のカーボンフットプリントの中で間接の排出が占める部分は、思ったより大きいことが多いものです。
製品のカーボンフットプリントはライフサイクルで数える
製品のカーボンフットプリントは、ふつうその物の一生全体をたどって計算します。どの段階が大きいかは製品ごとに違います。電気を長く使う家電は使用段階が、電子機器や服は作る段階が大きいとされています。計算をどこから始めてどこで終えるかを決めることを範囲の設定といい、工場を出るまでだけを数えるのか、消費者が使って捨てるまで数えるのかによって、同じ製品でも数字が変わります。
- 原料: 掘り出して加工する段階
- 製造: 工場で作る段階
- 輸送・流通: 運んで売る段階
- 使用: 使っている間のエネルギー
- 廃棄: 捨てて処理する段階
計算ツールごとに数字が違う理由
インターネットのカーボンフットプリントの計算ツールに同じ暮らしを入れても、結果がばらばらなことはよくあります。ツールが間違っているというより、基準が違うためです。何を計算の範囲に入れるか、電気一単位あたりの排出をどの値と見るか、平均的な暮らしをどう想定するかがそれぞれ違います。特に電気の排出係数は、国ごと、年ごとに発電の構成が違うため大きく変わります。そのため、別々のツールの数字を並べて比べることにはあまり意味がありません。
- 計算の範囲に入れる項目が違う
- 電気・燃料の排出係数が違う
- 平均的な暮らしの想定が違う
- 基準年とデータの出典が違う
よくある誤解
カーボンフットプリントをめぐっては、直感と違う結果がかなりあります。近くでとれた物は輸送が短いのでいつも排出が少ないと考えがちですが、全体に占める輸送の割合は品目や育て方によって違い、言い切ることはできません。紙袋とレジ袋、ガラス瓶とペットボトルといった比較も、何回繰り返し使うかによって結論が変わります。小さな物を選ぶのに長く悩みながら、家の暖房や移動の手段のような大きな項目はそのままにしてしまうこともよくあります。ほかの場所の削減事業にお金を払って排出を相殺したという話は、実際に排出を減らしたという話とは同じではない点も覚えておきましょう。
暮らしでの使い方
カーボンフットプリントは、正確な絶対値を知るより、どこが大きいかを見当づけ、自分の変化を追うのに使う方が役立ちます。暮らしを家のエネルギー、移動、食べる物、買う物くらいに分け、一つの計算ツールの中でどの項目が大きいかを比べてみてください。家のエネルギーは検針票の電力量と燃料の使用量から、移動は走行距離と燃費から始めれば十分です。同じツールと同じ基準で数か月後にもう一度測れば、数字そのものより、増えたか減ったかが意味のある情報になります。このテーマのほかの記事で扱った待機電力、省エネ性能の等級、食品ロス、長く使うことは、どれもこの項目のどれかを減らす方法です。
表示と主張を読むとき
製品の二酸化炭素排出量を表示したり認証マークをつけたりする制度は多くの国にあり、韓国にも製品の排出量を認証して表示する制度があります。こうした表示は、同じ種類の製品どうしを比べるときの参考になります。一方、カーボンニュートラルや環境にやさしいといった言葉だけを大きく書いた広告は、根拠を確かめる必要があります。どの範囲を計算したのか、実際の削減なのか相殺なのか、誰が検証したのかが書かれていなければ、その主張は参考程度にとどめましょう。制度の名前や基準は変わることがあるので、公式案内を確認するのがおすすめです。
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